肉離れになったので「肉離れ」について発生から治し方まで解説
ちょうど1週間前くらいにミットを蹴っていたら、左のふくらはぎから
「ブチン!」
という音を感じました
最初はアキレス腱が切れたのかな?と思ってアキレス腱の断裂の有無のテストを行いました
アキレス腱が切れた場合は
①つま先立ち不能
②ふくらはぎをつまんで行うトンプソンテスト陽性
③ひどい場合はアキレス腱部に陥凹を触知
などありますがどれも当てはまらず、ホッとしたのですがそれでも痛い
そう・・・
ミットを蹴る時に急激にふくらはぎを収縮させたのでふくらはぎ(腓腹筋内側)の肉離れをしてしまっていたのです
今回はそんな自分に起こったふくらはぎの肉離れについて原因や症状、治し方までを解説していきたいと思いますので最後までお付き合いください
目次
肉離れとは
肉離れ、我々の柔整師の世界では「筋挫傷(きんざしょう)」といって治療の範囲なのですっかりお馴染みの症状です
筋肉とは筋肉繊維がいくつも重なり束になっている状態で、ゴムのように伸び縮みします
その外側に、筋肉を包むように筋膜があり、タイツやストッキングを履いているような状態です。
一般的には、筋肉を強い力で急激に収縮させようとする、その力に筋肉自体が耐えれずに、『筋繊維』、『筋膜』の一部分に損傷・断裂、または完全に断裂する状態を言います
走っていたり、急に動き出した瞬間に起こる事が多く、肉離れの瞬間には『ブチンッ』という切れたような感覚があります
肉離れの一歩手前で、筋肉が激しくつって固まることがあります
それは、比較的ハムストリングス(太ももの裏)に起こる事がありますが、その瞬間は筋肉が『グンッ』となって動けなくなります
太ももの裏の肉離れも筆者は坂道ダッシュをしていた時に経験済みです^^;
肉離れの症状とは?
ざっくり症状の度合いは3段階に分けられます
レベル1段階、軽症状
筋繊維が細かく損傷してるか、筋膜がずれて炎症を起こしている状態で痛みはあったり、なかったりする。
歩行は可能で、軽くなら走ったりジャンプしたりも出来る(筆者はこの段階です)
回復期間:2週間程度
レベル2段階、中症状
筋肉繊維、筋膜の一部分の損傷・断裂で強い痛みが起きる
自力での歩行は難しく、松葉杖や車椅子が必要になる
回復期間:1〜2ヶ月
レベル3段階、重症状
筋肉が深く損傷・断裂、または完全に断裂した状態で激しい痛みが出る
陥凹を触知できる
場合によっては手術が必要になる
歩行は完全に不可能になる
回復期間:3〜6ヶ月
肉離れが起きやすい主な部位
治療中によく診てきた部位としては
『大腿四頭筋(太もも前)』
『ハムストリングス(太もも裏)』
『腓腹筋(ふくらはぎ)』です
『大腿四頭筋(太もも前)』→瞬発的な動きをする陸上短距離走のスタート時や、サッカーや空手の蹴る動作など
『ハムストリングス(太もも裏)』→ダッシュをするなどの短距離走の時
『腓腹筋(ふくらはぎ)』→バスケットボールなどの急激にジャンプするときや長時間のランニングでふくらはぎに長時間ストレスがかかった時など
その他には、強くぶつけた時や、体が冷えた状態で反動をつけて行うストレッチなどでも起こります
肉離れの原因とは?
肉離れの原因は以下のようなものがあります
①疲労がたまっていて筋肉が固くなっていた場合
疲労がたまってしまうと、筋肉が固くなってしまて血流が悪くなってしまいます
血流が悪くなると、疲労物質がたまり筋肉の動きや柔軟性が悪くなってしまいます
運動をしている人は、トレーニングを行った後のストレッチを怠っている人が多い印象です(筆者もその一人・・・)
運動している人もしていない人も時間をかけてガッツリする必要はありませんが、短時間でもいいのでストレッチをこまめにする必要があります
②準備運動不足
筋肉が冷えた状態でいきなりフルパワーを出したら・・・・
筋肉の柔軟性は適度に筋肉が温まった時にフルに発揮されます
キンキンに冷えた状態での競技はお勧めできません
スポーツ競技前に準備運動でいきなりストレッチをするのではなく、最初に軽いウォーキングやジョギングで筋肉に刺激を入れていきます
その後、少し温もってきたら軽い反動をつけたストレッチを行うようにしましょう
反動をつけたストレッチで想像しやすいのは「レディオ体操」です
なぜ反動をつけたストレッチとあえて言っているのかというと、競技前と競技後ではストレッチの性質を変えないといけないからです
今回は簡単に説明します
「競技前は反動をつけたストレッチ」
「競技後は反動をつけないストレッチ」を行うようにしましょう
競技前に反動をつけたストレッチを行うのは、筋肉に興奮作用と筋肉の収縮の力を損なわせないためです
競技前にじんわり伸ばすストレッチを行うと、筋肉は最大パワーを発揮しにくくなります
競技後の反動をつけないストレッチを行う理由は、リラックスと疲労回復が目的だからです
③水分不足
筋肉が柔らかい人と固い人の違いで感じるのが
「水分を積極的にとっているかいないか」
という点です
怪我の少ない選手ほど大量の水を飲んでいる印象があります
もちろん年齢や、活動、代謝、体重などで変わってはきますが、参考までに水分摂取量の計算方法で見てみましょう
体重×(35ml)=20代〜50代の1日の適度な水分量
例、体重80キロ×35ml=2,800ml
食事から1,000mlから1,500mlを摂取しているとして、
2,800ml−1,000~1,500ml=1,300~1,800mlを飲料から摂る事を目安に出来ます
運動をしている人はこれ以上に摂る必要があるのはいうまでもありません
また、コーヒーなどを結構飲む人は利尿作用で水分が失われている量を考えないといけません
結構水分を摂っているのに、顔に限らず背中などの肌が乾燥していたりしている人はコーヒーなどを飲み過ぎている可能性があります(筆者はこれです)
④加齢
歳をとると年々筋肉が固くなっていきます
原因は筋肉を使わなくなって筋肉が衰えていくことや、コラーゲンなどの量が減り筋肉の柔軟性が失われていって運動量が減少してしまうことなどが挙げられます
筋肉の柔軟性を保つ方法は
・運動を継続する
・タンパク質やビタミンCや鉄分などをサプリメントなどで積極的にとる
運動会などで、子供の前でいい格好をしようとお父さんが走って肉離れやアキレス腱の断裂を起こすことはよくあります
この場合は加齢も原因ですが、日々の運動習慣がないのが一番の原因なのでしっかりと定期的な運動と筋トレをしていきましょう
⑤体重が重い
治療をしていていつも感じるのですが、体重がかなりある人は大体ふくらはぎがパンパンになっています
それもそのはず、ふくらはぎの部分は膝から上の全てを支えているからです
それほどまでに酷使しているふくらはぎを全くケアしていないとなると、限界を迎えて肉離れや断裂をしてしまっても仕方ありません
私はふくらはぎの肉離れを経験してストレッチだけではなくマッサージ機を使ってきちんとケアするようになりました
イチローのお父さんもイチローが小さい頃は毎日ふくらはぎをマッサージしていたそうなのでケアすることで疲労回復の効果はあると思います
肉離れになったらどうすればいい?
肉離れになったら、最寄りの整骨院か整形外科を受診しましょう
医療機関も得意不得意があるのでその辺はこちらの記事を参考にしましょう
固定をするならやはり整骨院が一番いいと思います
もちろん歩くことが全くできないくらいの症状なら整形外科を受診するのがいいと思いますが、レベル1くらいの感じならばその必要はないと考えられます
①包帯やテーピングで固定する
ケガの具合にもよりますが、痛みがあって歩けない時期は、基本的に包帯やテーピング等で患部の固定は必要だと思います
ほとんどの場合はテーピングだけでなんとかなりますが、テーピングだけだと中途半端に動いてしまうので治りが遅くなってしまうことがあります
私の場合、テーピング固定で痛みが引いてきたので少し運動したら再発してしまいました
徹底的に治そうと思ったら包帯でガッチリ固定する方が競技復帰の一番の近道となるような気がします(個人の感想です)
固定をする事によって使わない筋肉はびっくりするくらい早いスピードで弱っていきますが、そこは焦らずにいくことをオススメします
怪我をしていない部分のトレーニングをすることで、筋肉の衰えるスピードを抑えることが可能です
肉離れの部位に関しては我慢の時期です
「動かしだす(リハビリの)タイミングいつなのか?」これに関しては、ケガの回復具合によりますので、専門医の方の指示を仰ぎ、自らの判断で無理なく行いましょう
②マッサージなどをして筋肉をほぐす
肉離れなどの損傷をすると、痛いところをかばって周辺の筋肉も固まってしまいます
右脚を痛めてしまったら必然的に反対の左脚で体重を支えることになります
体勢を崩さないように腰をひねった状態をキープする必要が出てきて色々なところに負担がかかってしまいます
体をスムーズに動かせないので、血行が悪くなり、むくんだりして新鮮な血液の流れが上手くいかなくなります
動かせない時は、マッサージしたりお風呂でしっかりと温めて血液の流れを良くしていきましょう
③栄養
筋肉の栄養はたんぱく質です
損傷した損傷した筋肉を治す材料が無いとなかなか治りません
コラーゲンもたんぱく質の一種です
筋肉の成分の約20%から25%弱はたんぱく質で構成されており、筋膜も多くのコラーゲンで構成されています
傷ついたそれぞれの細胞の修復にもたんぱく質、コラーゲンは必要になります
食事からはもちろん、プロテインパウダーやコラーゲンサプリメント等での摂取をお勧めします
まとめ
今回は肉離れについて解説していきました
年齢も年齢なので今までと同じように、動きっぱなしでケアゼロというわけにはいかないことを痛感しました
肉離れの原因は、筋肉の張りであったり水分不足、冷え、加齢など様々ですがこれらはきちんと日々のケアを怠らなければ予防が十分可能である
単に怠けていただけです
できるだけ短期間で復活するためには、栄養をしっかりとって、患部をしっかり固定し安静にする、その他の負担のかかっている部位はきちんとケアをすることが大切
マッサージやストレッチを自分でするのが面倒な人はハイパーボルトのような機械に頼ってもいいと思います
今回の記事が少しでも皆様のお役に立てるとうれしく感じます
今日言いたいことはそれくらい
筆者のプロフィール
筆者は国家資格である柔道整復師として身体の不調や痛みの原因を根本治癒させるために今まで数千人の患者さんの治療を行なってきました。そんな中、筋肉やトレーニングだけでなく、栄養や生活習慣の面からも改善しないと根本治癒できないと考え研究を行っています。「運動・休養・栄養」の3つの柱で患者さんの生活の質の向上を考え治療活動中です。海原雄山・北大路魯山人と並ぶ自他ともに認める美食家。肉離れは焦らずじっくり治しましょう!
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