よく患者さんに聞かれる筋トレの疑問に答える③
さてさて「よく患者さんに聞かれる筋トレの疑問に答える」シリーズも今回でシーズン3に突入しました
とりあえずこのシリーズも今回で完結ですが、またいろいろ知見がたまってきたら記事にしていこうと思っております
前回と前々回の記事はこちらなので、まだ読んでいないという人は自分で言うのもなんですが・・・こちらも読んでみると結構いいこと書いてあるので読んでみてはいかがでしょうか^^
それじゃ今回も・・・

目次
- 筋トレ効果を上げるカギはタンパク質摂取
- 1日にどれくらい摂ればいいのか問題
- 糖質制限はほどほどに
- ケガ予防のビタミンC
- 一般人のプロテイン摂取について
- 正しいプロテインの飲み方
- 筋トレは水分摂取がとても大事
- まとめ
筋トレ効果を上げるカギはタンパク質摂取

いきなり当たり前のタイトルですよ
体づくりだけにとどまらず、美容に関してもそうですが、現代人はあまりにも食事に関して無関心すぎると思います
いきなりめっちゃ怒っているんですけど、それもそのはず
今朝の食事を思い出してみてください
パンとコーヒーだけ・・・
なんなら食べていない・・・
そんな人って結構多いです
そんな食生活じゃ筋肉はおろか、美容に関してもかなりの損失が出てしまいますよ
食事の基本はエネルギーになる糖質、細胞膜やホルモンなどの栄養となる脂質、そしてみなさん大好きタンパク質の3つのバランスが大事なのは過去死ぬほど言ってきましたね
特にタンパク質は、人間の体に37兆個あるといわれている細胞の主成分ですよ
皮膚、髪の毛、内臓から赤血球に至るまでタンパク質の塊です
もちろん筋肉もですよ^^
つまり、「筋肉の材料となるタンパク質がないと、筋トレをしても筋肉は増えない」といっても過言ではないのです
また、タンパク質を構成するアミノ酸は筋肉の合成を爆速させるインスリンやホルモンの分泌を促すホルモンの材料でもあります
この意味でも、タンパク質が豊富な食品を欠かさず定期的に摂取することが重要なのです(1日1回とりゃいいってもんじゃないのですよ)
だからって、糖質や脂質を極端に減らしたりするのも良くありません
糖質をとることでインスリンが分泌されて、筋肉の合成が爆速します
また、脂質は性ホルモンの材料なので、不足すると筋肉を合成させる男性ホルモンが不足します
女性の場合、女性ホルモン不足により、骨密度の低下、月経不順を招き、摂食障害の引き金にもなります(特に恒例になると食が細くなるので注意)
重要なのは、「主食、主菜、副菜、汁物」の食事の基本を守りつつ、お菓子や甘い飲み物やアルコールを控えることです
そもそも運動していたら少々糖質や脂質を摂りすぎても大丈夫なんですけどね・・・
1日にどれくらい摂ればいいのか問題

過去にもいろんなことを言ってきた「1日にどれくらいタンパク質を摂ればいいのか問題」ですが・・・
個人差はありますが、大体体重1kgあたり1.6gくらいを目安にとりましょう
タンパク質摂取が重要なのはめっちゃいってきたからわかっていると思いますが、実際どれくらい摂ったらいいの?という声をよく聞きます
タンパク質の推定平均必要量は「体重×0.66g」
理想的には「体重×0.93g」
・・・とされています
だが、これは特別な訓練をしていない場合の数値です
冒頭にもいいましたが筋トレで筋肉を増やすためには、まぁまぁ摂る必要があるわけです
筋トレで筋肉を増やすには「体重1kgにつき1.6〜1.7g」くらいが目安となります
これが、減量などの食事制限をすると筋肉の分解が進みやすくなるので「体重1kgにつき1.8〜2.0g」が必要となります
- 60kgの女性ならば・・・108〜120gくらいタンパク質が必要ですから、1食当たり36〜40gのタンパク質が必要
- 80kgの男性ならば・・・144〜160gくらいタンパク質が必要ですから、1食当たり48〜53gのタンパク質が必要
でもね、体が一回で吸収できるタンパク質は40gが上限といわれていますので、それ以上摂取しても吸収できず、体外に排泄される際に腎臓に負担がかかります
おまけに、タンパク質は悪玉菌が好むので、腸内環境の悪化にもつながります
効率よくタンパク質を摂取するなら、お昼と夜の間の間食にタンパク質を多く含む食品を摂って、1食当たりのタンパク質を適量に抑えることです
なんやかんや言ってきましたが・・・
色々めんどくさい

出典「HUNTER×HUNTER」冨樫義博
それができれば苦労はしねぇ!!って思う人は「肉、魚、大豆製品などの主菜をいつもの食事量の1.5〜2倍摂れば、必要量を得られる」と思えばいいです
間違っても、パンとコーヒーだけという食事はやめてくださいね
筆者はそんな食事の時はプロテインをそえます^^(あくまでも補助食品ですよ)
糖質制限はほどほどに

糖質制限をして痩せた!!って人結構いると思います
ご飯やパン、イモ類やとうもろこしなどの糖質の多い食品を避けて、その代わりに脂質やタンパク質をたくさん摂るという食事法です
実際筆者自身も過去に糖質制限をして減量した経験があります
だが、健康的に筋肉をつけたきゃ糖質制限はやらない方がいいでしょう
理由は以下の通り
- 脂質とタンパク質を多くとることにより、ケトン体が増え健康に支障をきたす
- 腎臓に負担がかかり腸内環境も悪化する・・・etc.
そもそも糖質を摂らないと筋肉作りに関係するインスリンが分泌されないので筋肉がつきにくくなります
おまけに筋トレしててもパワー出ないし・・・
極端に糖質の補給を減らすと、コルチゾールというホルモンが分泌され、それが筋肉を分解して糖に変換させてしまいます
簡単に言えば「筋肉が減る」です

出典「グラップラー刃牙」板垣恵介
また糖質は1gあたり3gの水と結びつく性質があります
なので体の中から糖質が減ると、体内水分量が不足して髪の毛や肌もカサカサになってしまいます
主食としてごはんやパンを食べることに問題はありません
だが、「うどん+カツ丼」「ごはん+お好み焼き」「パスタ+パン」「ラーメン+チャーハン」などの主食×主食は避けましょう
イモ類やとうもろこし、マカロニなどをおかずに米を食うのもやめた方がいいでしょうね
ケガ予防のビタミンC

出典「範馬刃牙」板垣恵介
タンパク質ばっかりが筋肉にいいってわけじゃないですよ
ケガなく運動を続けるにはビタミンCも大事になります
筋肉の発達には以下の2種類があります
- 筋肉の細胞が増える筋繊維の増加
- 筋繊維が太くなる筋肥大
大体の人間は筋トレによる筋肉の発達は2番目の筋肥大が中心です
筋繊維が太くなると、筋繊維同士や筋肉を包んでいる筋膜との間に隙間ができやすくなり、その結果、筋繊維同士が剥がれたり、筋膜の損傷を招いたりなどの肉ばなれ(meet good bey)を起こしやすくなってしまうのです
そんな肉ばなれを予防するにはビタミンCをたっぷり含んでいる野菜や果物を摂ることが効果的であるといわれています
ビタミンCには保水力があり、筋肉の粘度をあげて筋肉同士を剥がれにくくします
また、筋膜や腱、靭帯を構成するコラーゲンを作る働きを加速させてくれます
ビタミンCと聞くとすぐレモンを想像すると思いますが、以下の野菜や果物に豊富に含まれています

野菜ならパプリカ、ピーマン、芽キャベツ、ブロッコリーなど
果物なら、レモン、キウイ、いちごなどです
ビタミンCと合わせてエネルギー代謝に役立ち、筋肉の合成に関わるビタミンB群も一緒に摂るとさらに完璧です(ビタミンBには玄米ご飯がいいよ)
果物や野菜はタンパク質の倍量を食べるのが理想です・・・がなかなかそうはいかないですよね
なので、毎食必ず野菜中心の副菜を摂り、1日1品果物を摂ることを心がけましょう
筆者は最近キャベツが安いので毎日食べてますよ^^
一般人のプロテイン摂取について

出典「ドラゴンボール」鳥山明
筆者自身はプロテインを結構いろんな人に勧めている派です
理由は超簡単で、手軽に摂取できる上に、筋肉だけじゃなく、皮膚、骨、血液、ホルモンなどの材料として欠かせない要素だからです
なので、筋トレをしていなくても美容上も健康上もタンパク質はとても大事なのです
ちなみにですが、毎回の食事でしっかりと肉や魚、牛乳やヨーグルト、卵なども摂っているならプロテインは必要ありませんよ
プロテインを利用すべきなのは食事から必要なタンパク質が十分に摂れない時です
食が細い、肉や魚を食べると消化不良を起こす、外食や弁当が多く主催が不足しがちなどの人はプロテインを活用すべき人です

ただし、タンパク質の吸収にはビタミンC、ビタミンB群が必要ですし、糖質がないと筋肉への取り込みが進みません
肝心なのはバランスの良い食事です
日本食は健康食としても世界で有名です
伝統的な「主食、主菜、副菜、汁物」という食事構成は、体に必要な栄養素をバランスよく摂ることができる優れた文化です
主食の米やパンはエネルギー源となり、主催のタンパク質が体を作り、同じく主菜の脂質は細胞やホルモンの材料となります
副菜の野菜、きのこ、海藻などはビタミン、ミネラル、食物繊維を豊富に含み、体の調子を整え、汁物で水分が補給されます
正しいプロテインの飲み方

プロテインって水に溶かして飲むだけで手軽に20〜30gのタンパク質が摂取できるとても便利な食品です
プロテインはざっくり以下の3種類があります
- 牛乳から作られる吸収が早いホエイプロテイン
- 牛乳から作られる腹持ちのいい(ゆっくり吸収)カゼインプロテイン
- 大豆から作られるソイプロテイン
プロテインの種類はこちらに記載してますので参考にしてみてね
最近じゃプロテインパウダー以外にも、プロテインバー、ソーセージ、パン、パスタなどいろんなタイプの高タンパク食品が手に入るようになりました
じゃあいつこれらを摂取するといいのか?
それは「最も血糖値が下がる夕方に間食(捕食)として摂ると、血糖値の低下による筋肉の分解を防ぐとともに、血液を介して筋肉にアミノ酸を供給してくれるので、筋肉を効率よく増やすのに役立ちます
自分にあった特徴のタンパク質食品を夕方に摂るようにしたら結構いいことあると思いますよ
筋トレは水分摂取がとても大事

人間の体は大体60%が水分でできているといわれています
水分は細胞、血液やリンパ液の主成分であり、生命維持に欠かせない人体に最も必要なものです
体内に十分な水分がないと血液の流れが停滞して血栓ができやすくなったり、脳の機能が低下したりさまざまな問題が起こります
また、筋肉にとっても水分は不可欠です
筋肉の細胞間にも血管があるので、水分が不足すると筋肉の老廃物除去が遅れれるだけじゃなく、正常に収縮できずにけいれんを起こすなどします
これらを予防するためにも、日頃から水分補給を心がけ、特に汗をかく運動中、またその前後には水分をしっかり摂るようにします
また、痩せたい人に朗報です
水分補給はダイエットにも効果的です
そもそも食欲の半分は「水分欲」だといわれています
水分をとることで必要以上の食欲が抑えられ、自然と食事量が減ります
食事の前後、また食事中にコップ1杯、200mlの水分を摂りましょう
ノンカロリーやノンカフェインであれば水じゃなくてもいいです
白湯、麦茶、ハーブティーなどでも良い
緑茶、紅茶、コーヒーなどは利尿作用があるカフェインが含まれているので、あまりお勧めしませんが水分摂取しないよりマシなのでほどほどに
こういう話をするといつも出てくるアルコールですが、アルコールはカロリーも利尿作用もあるので水分としてカウントできませんので先に言っておきます
やっぱりおすすめは無糖の炭酸水が満腹感があり食べ過ぎ予防にもなるので最適であるといえます
まとめ
カロリー制限じゃなく、タンパク質、脂質、糖質などの栄養を正しく定期的に摂ろう
タンパク質の摂取量は個人差があるが大体体重1kgあたり1.6gくらい
筋トレで筋肉を増やすには「体重1kgにつき1.6〜1.7g」くらい
色々考えるのが面倒な人は「肉、魚、大豆製品などの主菜をいつもの食事量の1.5〜2倍摂れば、必要量を得られる」と思えばいい
エネルギー源の半分は糖質なので、過度に糖質を制限して脂質とタンパク質を多く摂取すると・・・
- 脂質とタンパク質を多くとることにより、ケトン体が増え健康に支障をきたす
- 腎臓に負担がかかり腸内環境も悪化する・・・etc.
などの悪影響があるので程々にしよう
糖質制限で筋肉が増えない理由は以下の手順
- 筋肉の合成を促すインスリンが分泌されない
- 血糖値を上げるホルモンの分泌が増える
- 筋肉の分解が進んでしまう
さらに・・・タンパク質を排泄するために腎臓に余分な負担がかかったり、水分が失われて髪の毛や肌もカサカサになるので極端な糖質制限はやめましょう
筋肉が大きくなる筋肥大は筋繊維同士が剥がれたり、筋膜の損傷を招いたり肉ばなれが起こりやすくなるので、ビタミンCを摂取して保水力と筋肉の粘度を上げて肉ばなれを予防しよう
野菜や果物は上質な筋肉に欠かせないので、毎食野菜中心の副菜を摂り、1日1品果物を摂取しよう
プロテインは、食が細かったり食事が偏ったりしている人におすすめで、普段の食事でしっかり栄養が摂れてるならプロテインは必要ない
昼食と夜食の間は血糖値が下がって筋肉の分解が進むので、このタイミングでプロテインなどの高タンパク食品を摂取すると効果的である
プラスで糖質を摂取すると、筋肉が分解されて糖質になるのを防ぐ、糖とアミノ酸を速やかに筋肉を補給することが抜群に筋肉を成長させる
体の水分不足は以下の不調につながる
- 体温調節ができなくなる
- 血液の粘性が高まる
- 筋肉のけいれんが起こる
- 疲労感が出る
- 筋肉の張りがなくなる
- 肌が乾燥する
運動中、運動前後は意識して水分補給をしよう
運動中におすすめの水分補給すべきものは、ノンカロリー、ノンカフェインのドリンクであれば水以外も良い
利尿作用のあるのコーヒーや紅茶緑茶などはおすすめしない
もちろんアルコールはダメ
That’s all I want to say today
I love you for reading till the end
それじゃ・・・

書いてる人

著者近影
広島県の福山で筆者は国家資格である柔道整復師として身体の不調や痛みの原因を根本治癒させるために、今まで数万人の患者さんの治療を行なってきました。そんな中、筋肉やトレーニングだけでなく、栄養や生活習慣の面からも改善しないと根本治癒できないと考え研究を行っています。「運動・休養・栄養」の3つの柱で患者さんの生活の質の向上を考え治療活動中です。海原雄山・北大路魯山人と並ぶ自他ともに認める美食家。
好奇心に素直に行動してみると良い。多少の出費や無駄な時間になってしまう場合もありますが、人生は体験と経験しないと分からないことが沢山あることを忘れないように・・・
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