よく患者さんに聞かれる筋トレの疑問に答える
前回に引き続き筋肉の話題です
今回は筆者がよく聞かれるシリーズで「筋トレ編」です
全部読んでもらうのが一番いいんですが・・・
目次を見てもらって気になるやつだけでもみていただけると、きっと人生の役に立つ時が来ると思います
そんな感じでぼちぼち自分のペースでやっていただけたらいいと思いますので最後まで生温かい目で見守っていただけると幸いです
それじゃ今回も・・・

目次
- 目的を持ってトレーニングしてるか?
- 筋肉痛がないと意味ないのか?
- 高負荷低回数か?低負荷高回数か?
- 筋トレの頻度はどれくらいがいいのか?
- 筋トレ効果はいつくらいに出る?
- 成長期に筋トレは背が伸びない?
- まとめ
目的を持ってトレーニングしてるか?

筋トレしまくっていたらなんでもいいって思っていませんか?
それってとってももったいないですよ
筋肉の種類ってざっくり3種類あるといわれています
- 速筋(短距離選手の筋肉)
- 遅筋(マラソン選手の筋肉)
- 中間筋繊維(ビルダーの筋肉)
過去記事でも筋肉の種類について触れていますのでこちらも参照
マッチョな人の体って見た目はいいですよね
でもよくこんなこと言われるんですよ

出典「グラップラー刃牙」板垣恵介
機能性などどうでも良く、ただ大きく見せればよいという最もレベルの低い筋肉だ・・・(筆者はそうとも言い切れないと思っている)
確かに腕相撲をしたりするとボディビルダーがあっさり負けることなんてこともあります

出典「刃牙道」板垣恵介
その理由は、トレーニング方法(目的)が違うからです
ボディビルダーは筋肉を大きくするため、中強度の負荷のトレーニングを何種類も何セットも多量に行います
続けていくと、太くて逞しい筋肉に仕上がります
だが、体内ではある変化が起きます
時間の筋トレに耐えるために、速筋が遅筋化して中間筋繊維に変わっていくのです
つまり、筋トレをやり過ぎると、見た目は良くなってもそれに見合う筋力がつかない可能性があるのです
その一方、スポーツ競技車の筋トレ目的は、強いパンチを打ったり、早く走ったり・・・と筋肉の出力を高めることです
高負荷の筋トレを比較的短い時間で行って、筋力を上げつつ体重を増やしすぎないのが一般的です
また、スポーツ競技はだいたい全身の筋肉を使うので各競技の練習で全身の筋肉の協調性や連動性の訓練をします
なので、スポーツ競技の方向性とボディビルの方向性は違うのです
健康で若々しい体つくりのために選ぶべきはボディビル的方法で、種目数や回数や重量などを適度な感じにしていくと健康的に体を維持できます
アホみたいに高重量でやったり、毎日トレーニングしたりすると寿命も減るし老化が促進されますが・・・競技の結果を出そうとしている人はそれも仕方ないともいえますね
狂った結果出そうとしている人って大体こんな考え笑

筋肉痛がないと意味ないのか?

出典「ドラゴンボール」鳥山明
みなさんは筋トレをしていて筋肉痛が来るととても安心した経験があるでしょうか?

私はあります・・・(ねずみ風)
筋トレ開始当初はすぐに筋肉痛になたりしますが、回数を重ねていくと出にくくなります
「筋トレの強度が足りない?」「筋トレの効果がないのか?」
などと心配する人もいるでしょう
だが、実際は筋トレの成果と筋肉痛との間に直接の因果関係はありません
久しぶりに動いたら筋肉痛になった・・・という経験はみなさんあるでしょう
筋肉痛は高負荷で慣れない動きをすると起きやすい(ネガティブ動作でも起こりやすい)という性質があります
自分のイメージと実際の体の動きとの間に「ずれ」が生まれ、筋肉がギュッと引っ張られ損傷が起こりやすいためです
よく筆者が筋肉痛になったという話を周囲にするのですが、「毎日運動していても筋肉痛になるんですね」って言われます
筆者のように日々トレーニングをしている人が毎日筋肉痛になるのは、毎日いろんな動きの筋トレや運動をしているからです
逆にいえば、同じ動作のトレーニングを続けると筋肉痛は出にくくなります
筋肉痛はなくても適切な負荷と頻度で鍛え続ければ筋肉は成長するので安心してください
あと、よく言われています「年を取ったら若い頃より筋肉痛が遅れてくる」ってやつですが、それは気のせいです
筋肉の炎症のピークは、運動後48〜72時間前後といわれています
年齢による差はありません
じゃあ何が10代の頃と違うのかというと、運動の頻度と種類といえます
学生時代では、体育の授業や部活、通学などで体を強制的に動かしていたと思います
そうなると筋肉は常にいろんな刺激を受けている状態なので頻繁に筋肉痛が起こり、何が原因で筋肉痛になっているのかわかりません
大人になるとすぐ車に乗るし、すぐエスカレーターに乗るし、運動なんてほとんどしなくなるでしょ?
年をとると運動の機会が極端に少なく、強烈な筋肉痛が出るため印象に残りやすいのです
筋肉痛に関してはこちらにも記載
高負荷低回数か?低負荷高回数か?
トレーニングをする上で負荷や回数が重要であることは先ほど述べました
そこで出てくる問題が、「高負荷低回数」「低負荷高回数」問題です
回数と出力は反比例し、思い負荷ほど回数が減ります(そりゃそうじゃ)

出典「ポケットモンスター」
筋肉をつけるためのトレーニングでは「重め(中強度)の負荷を少なめの回数で」というのが一般的です
最大出力の70〜80%が適当な負荷です
- 70%は大体12回
- 85%は最大6回
これくらいの強度です
これよりも軽くなってしまうと速筋よりも遅筋が使われるので、筋肉がつきにくくなります
逆にこれ以上重い負荷だと筋力はアップしますが、筋肥大はしにくくなります
なので6〜12回くらいの負荷でやるのが適当でしょう
このくらいの回数でトレーニングをするということは「成長ホルモンも出やすい」というメリットもあり理にかなっています
成長ホルモンは筋肉量を増やす最も重要なホルモンの一つである「インスリン様成長因子」の分泌を促進します
回数で注意してほしいことがあります
あと2回くらいできる余力を持ってやるということです(10回できるなら8回くらいでやめる)
この方法なら成長ホルモンが十分でますし、関節がやられて怪我したりするリスクも減ります
特に年をとると怪我しやすくなってしまい、定期的にトレーニングできなくなる可能性もありますからね
余裕を持ってトレーニングをすると、心理的にも余裕ができてまた明日も運動したくなり継続しやすくなります
限界ギリギリまで追い込んでしまうと、翌日のモチベーションが下がる上に、食いしばりや息を止めたり、顔にシワができたり、血管がダメージを受けたり美容上も健康上も良くないので注意しましょう

こっちのタイプの人は限界を超えてやるといいでしょう^^
筋トレの頻度はどれくらいがいいのか?

出典「鬼滅の刃」吾峠呼世晴
死ぬほど鍛える・・・って言ったってそんなん無理ですよね
筋肉を作ろうと思うとアホみたいな重さの重量で長時間トレーニングするイメージがありますが・・・
トレーニングは毎日する必要などありません
週2〜3回くらいで十分だといえます
その理由は「超回復」にあります
筋トレによって強く刺激された筋肉は、疲労がたまって一時的にパワーが落ちます
そこで体を休めて糖質やタンパク質などの栄養を摂取すると、疲労から回復し成長します
この時起こるのが「超回復」です

出典「ドラゴンボール」鳥山明
これが起こると、前回のトレーニングよりも筋力が少し上がります
理由は、筋肉はまた同じ刺激が来ても耐えられるように自ら強くなろうとするからです
このタイミングでまたトレーニングしたら筋肉は超回復を繰り返して、どんどん成長していきます
トレーニングから超回復が起こるまでの時間は48〜72時間といわれています
・・・ということは?
2、3日おきにトレーニングすれば結果が出やすいということとなります
体を引き締めて健康体になることが目的なら、1回必要となる筋肉量を獲得した後は週1回の筋トレで大丈夫です
筋肉を維持するために大事なことは「これまでと同じ以上の刺激を与えること」です
負荷を軽くしたリセット回数を減らしたりしなけりゃ大丈夫です(体調が悪い日は減らしていいよ)

こちらのタイプの人は、筋トレは週2〜3回にして間の期間で自分の競技のテクニック練習を入れたらいい感じに急用になると思われるので参考に・・・
筋トレ効果はいつくらいに出る?

出典「鮫島最後の15日間」佐藤タカヒロ
3ヶ月の壁を超えろ!
よくジムなどの文句で「3ヶ月継続したら入会金無料」と言った特典付きで会員を募集したりします
この理由は、入会後3ヶ月以内に辞めてしまう人がめっちゃ多いので、ジムもモチベ維持のためにこういったことをよくするのです
短期間で辞める人が多いのは、すぐに効果が実感できないからです
筋トレを始めてから筋肉がつき始めるまで、最低1ヶ月ほどかかるといわれています
筋肉の刺激に対して神経系の適応が起こり、力を出しやすい状態になるため、最初の1〜2ヶ月くらいはどんどんパワーがついていきます
それは日常生活でも実感できるくらいです(楽に階段を登れるようになったり、重い鞄を軽く持てるようになったり)
だからと言って筋肉量の増加はそんなに目立ちません(これ大事)
その時期を超えてから、筋肉はタンパク質を取り込んで大きくなって、筋肉量の増加を実感できるようになります
そうなるまでに個人差がありますが、遅い人だと3ヶ月くらいかかるといわれています
これを乗り越えて、トレーニングができるかどうかが一つの壁となります
3ヶ月を超えてくると、自分だけじゃなく周囲も気がつくようになっていきます
- なんか痩せた?(これをいわれると筆者は萎える)
- 綺麗になったな!
などといわれるようにもなり、モチベーションもアップしていきます
そうなると黄金ループに入って、トレーニングは習慣化します
もはや筆者は毎日したいのを我慢するのが大変なくらいのプラチナループに陥っています(油断すると毎日してしまうんよねぇ・・・)
3ヶ月の壁をぶっ壊して一生ものの美と健康を目指しましょう
※前提条件としてなんとなく筋トレを続けるんじゃなく、ちゃんと負荷を増やしていってしっかりと栄養補給をしないと効果は出ないどころかむしろしないほうがいいなんてことになりますので注意が必要です
成長期に筋トレは背が伸びない?

出典「スラムダンク」井上雄彦
結論からいうと「身長の伸びと筋肉の発達は無関係」です
小さい頃によくいわれていたことがあります
そんなに筋トレすると背が伸びないよ?・・・・と
それは、体操などの競技はほとんどの選手が小柄で筋肉がすごいから

出典「弾丸ジャッキー」
一方こんなことも言ってた人もいます
バスケやバレーのように跳ねる競技をすると背が伸びる・・・と

出典「スラムダンク」井上雄彦
確かにバレーボールやバスケットボール選手の多くはデカイですし、極端に筋肉がでかいことはありません
それらを理由に「成長期に筋肉をつけると背が伸びない理論」というのが出てきたわけです
だが、冒頭でもいいましたがこれらは全くの迷信です
体操競技者が小さくてマッチョなのは競技の特性にあります
体操競技はしばしば高得点を出すために「回転」します
物理的には物体は短いほうが回転しやすいので、背が高い人はどんどんいなくなっていきます

出典「ガンバFlyhigh」森末慎二 菊田洋之
つまり、体操をやるから背が伸びないのではなく、小柄だから体操競技で上位になりやすくなるということです
反対に、高さが有利となるバスケットボールでは当然、背の高い選手が有利です
骨格や体格などの身体条件によって向いているスポーツが違うというだけで、身長の伸びかたは筋肉の発達とは関係がないといえます
そして、成長期の筋トレが体の成長にマイナスに働くことはなく、むしろプラスの効果が大きいと考えられています
理由は、筋肉に適切な負荷をかけると成長ホルモンが出るからです
成長期は骨の縦の成長を促進しますが、成人すると骨の密度を上げてくれるので、加齢で骨密度が減少し始める中高年期にも美容にも、筋トレは有効なのは科学が証明しています
まとめ
ボディビルダーみたいに筋肉が大きいからといって筋力があるとは限らない
協調性や連動性も大事で目的を持って筋トレしよう
筋肉痛は慣れない動きや激しい運動で大体48〜72時間で筋肉痛がピークになる
同じ動作のトレーニングや運動を続けると筋肉痛は起きず、筋肉痛が起きなくても適切なトレーニングをしていると筋肉は成長する
年寄りが筋肉痛が遅れてくるというのは錯覚で、運動の機会が少なく強烈な筋肉痛が出るので印象に残りやすいから遅れてくると錯覚しがちになる
筋肉をつけるためのトレーニングでは「重め(中強度)の負荷を少なめの回数で」というのが一般的です
最大出力の70〜80%が適当な負荷です
- 70%は大体12回
- 85%は最大6回
心身の負担を減らすためにあと2回できる余力を残してやると健康上、美容上にもいい影響が期待できる
超回復が起こることによりトレーニングは週2回で十分効果があるので、そんなに気張って毎日やらずに継続してやっていきましょう
3ヶ月の壁を越えると見た目も中身もはっきりと効果が出る(ただし正しい筋トレと栄養補給を行うことが前提)
成長期の筋トレが背が伸びないのではなく体操選手がマッチョで小さいのはそれが競技で有利に働くからで、成長期の筋トレはむしろ成長を促進する
That’s all I want to say today
I love you for reading till the end
それじゃ・・・

書いてる人

著者近影
広島県の福山で筆者は国家資格である柔道整復師として身体の不調や痛みの原因を根本治癒させるために、今まで数万人の患者さんの治療を行なってきました。そんな中、筋肉やトレーニングだけでなく、栄養や生活習慣の面からも改善しないと根本治癒できないと考え研究を行っています。「運動・休養・栄養」の3つの柱で患者さんの生活の質の向上を考え治療活動中です。海原雄山・北大路魯山人と並ぶ自他ともに認める美食家。
損得で人と付き合うから不運もセットでやって来る。損得ではなく人と付き合う人に幸運はやって来る・・・
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