最近のストレッチの常識を考える「前編」
日々変化する健康常識
今回取り扱うストレッチも例外ではない
過去に書いてきたストレッチのお話はもはや過去のことです・・・(不変の法則はあるんだけどね)
そんなわけで今回のストレッチ記事は最新版という位置付けで見ていただくといろんな発見があると思います
今回は前編なので、また次回は後編をお送りいたしますのでお楽しみに^^
※今回の記事は大体20分くらいで全部読めます
それじゃ今回も・・・
目次
- ストレッチ強度は「痛い」くらいがちょうどいい
- ストレッチのベストタイミングは風呂上がり?
- ゆっくり伸ばすのがいいのかい?
- 運動後のストレッチは必要ない
- ストレッチで痛みが楽になる
- 何秒伸ばすのが最適なのか?
- 呼吸は止めない
- こまめにストレッチが体にいい
- ストレッチでは筋肉を意識しない
- まとめ
ストレッチ強度は「痛い」くらいがちょうどいい
ストレッチをする際どこまで伸ばしたらいいのか?
結構いた気持ちいいくらいがちょうどいいんだよーー・・・という見解が支配的であるが、柔軟性をアップさせたいのならそんなもんじゃ足りないというのが昨今の流れです
カラダは伸ばせば伸ばすほどに柔軟性が高まります
痛いと感じたその場所からがむしろスタートです
痛いと感じるところまで伸ばしたら痛みにも慣れて柔軟性はどんどん上がっていきます
だからって背中に力士を乗せて柔軟体操をしないようにしましょう
反動を過度につけて急に伸ばしたり、パートナー(力士)が体重と力任せに背中を押したりするのは筋肉や関節が壊れるのでやっちゃダメ
ここでは、自分の動かせる範囲でパートナーを使わず痛いくらいでやるってことで認識してもらえるといいでしょう
ストレッチのベストタイミングは風呂上がり?
ストレッチといったら風呂上がり!!
そう思っている人は結構多いです
実際筆者が治療している人も「やっぱり風呂上がりにストレッチをしたほうがいいですか?」ときいてくる人が後を経たない
風呂に入るという行為は毎日行うので風呂から上がったらストレッチをするということは、習慣化しやすいという面ではかなりのメリットがあります
おまけに、風呂上がりっていうのはカラダはぽっかぽかなので筋肉が伸びやすいというメリットもあります
カラダを温めると痛みの閾値が上がります(痛みを感じにくくなる)
そうなると、通常よりも強い痛みを感じずに伸ばせる範囲が広がるので、風呂上がりだと効果的なストレッチをやりやすくなります
逆に、温めるだけじゃなくアイシングをしても閾値は上がるのでアイシングをした後のストレッチも有効なので気兼ねなくやってください
結果、ストレッチはいつでもどこでもやればいい
ゆっくり伸ばすのがいいのかい?
筋肉を急に伸ばすと反射的に縮む性質があります
これがかの有名な「伸長反射」です
伸長反射で有名なのが、「膝蓋腱反射」です
膝蓋腱反射は、椅子に座った状態で膝下をハンマーなどで叩くと、瞬間的に伸ばされた大腿前側の大腿四頭筋が収縮して膝がビクんと伸びる現象です
ストレッチではそんなに急に筋肉を伸ばすことが少ないので、伸長反射は起こりにくいです
急に伸ばすと腱が切れたり筋肉を痛めたりする可能性があるのでゆっくりしたらいいと思います
競技系の準備運動でストレッチを行う際はウォーキングなどで筋肉をある程度温めて動的ストレッチを行うというのが一般的です
運動後のストレッチは必要ない
運動後に自分の筋肉を触ってみるとパンパンにパンプアップしているという経験があなたはあるでしょうか?
私はあります・・・(ねずみ風)
それをケアしようとジムなどではトレーニング後にストレッチを丁寧に行なっている人が結構います
運動後に筋肉が硬くなっているのだとしたら、その原因は運動刺激で集まった血液や代謝物でパンプアップしているからです
ストレッチは筋肉の間を通っている血管を一時的に圧迫して血流を邪魔してしまうので、パンプアップによる張りや硬さ、疲労感をとるというのには向いていません
意外だったでしょ?
筋肉を回復させたいなら、サクッと風呂やシャワーで汗を流し寝ましょう
安静にして血流を促進させるとパンプアップが解消されて、筋肉の張りや硬さも和らいでいきますよ
運動不足や長時間同じ姿勢によってパンパンになったカラダはストレッチがやっぱり有効なのでここでは運動後のストレッチはいらないよ・・・ってことを心のとどめておいてください
ストレッチで痛みが楽になる
みなさんは「閾値」ってご存知だろうか?
「諭吉」ではなく「閾値」です
閾値とは・・・ある感覚や反応を起こすための最小の強度の刺激のこと
ストレッチをあまりしていない硬いカラダだとこの「閾値」が低いので少し伸ばすだけで激痛が走る
だが、それだといつまで経ってもカラダは硬いままなのです
ストレッチを継続していると、閾値のセットポイントが変化してストレッチの夜痛みを感じにくくなりどんどん伸ばせる範囲が広がってきます
ストレッチは痛み止めを飲むのようなもので、痛みの閾値を少しずつ上げて柔軟性を高めていくとカラダは痛みを感じにくくなり日常生活が楽になってきますよ
何秒伸ばすのが最適なのか?
結論からいうと・・・関節の柔軟性の向上には最低30秒必要で、筋肉の柔軟性も高めようと思ったら120秒必要
さて、ストレッチをするにあたってみなさんはどれくらいストレッチをしているでしょうか?
多くの人が数秒ちょこちょこやるくらいだと思います
だから多くの人のカラダは硬いままなのです
数秒ストレッチをしてカラダがめっちゃ柔らかくなったという人はそれでいいです
しかし、今回は大体120秒というのが最適解ということになります
めんどくさい・・・
そう思った人は経絡秘孔の一つ「喘破」という秘孔をついて殺します
筋肉の種類によって伸ばす時間が異なるので今回はどの筋肉でも大体効果が出るであろう時間「120秒」ということなので、各筋肉640個の伸ばす時間を覚えたいというマニアックな人はぜひ勉強してください^^
120秒は長いなぁ・・・
と思ったでしょ?
同じ格好で120秒なんてと思う人は分割法を試してみるのもいいです
分割の最小単位は10秒です
10秒×12回
20秒×6回
30秒×4回・・・etc
などなどトータルが120秒になるようにするといいでしょう
だからって朝30秒、昼30秒、夜30秒・・・みたいに間が空きすぎると意味がなくなってしまうので、セット間のインターバルは30秒以内にしましょう
呼吸は止めない
どんな運動でも呼吸を止めてやるっていうのはあまり聞いたことがありません
多くの競技が「息を吐きながら」カラダを動かすというのが一般的です
システマなどの格闘技も例外ではない・・・
じゃあ今回のストレッチはどうか?
「ストレッチは息を吐きながら伸ばしても、吸いながら伸ばしても筋肉と関節の柔軟性には影響はない」
システマとかでも言われたけど、大事なのは「呼吸を止めないこと」です
呼吸を止めると血圧が上がりやすくなって血管破裂しますよ
特に高齢者は危険なので注意です
まぁ、自然呼吸を心がけてストレッチをすればいいという至って当たり前のお話をここではしてみました
こまめにストレッチが体にいい
筆者がストレッチの指導の時にいつも言っているのですが、ストレッチはこまめにやるといいです
目安としては「週3回行う」です
ストレッチで激しい筋肉痛が起こるわけでもなし、ガンガンストレッチを日常生活に取り入れていったらいいと思います
ポイントは「3日以上間隔を空けない」ことです
1日めっちゃ時間をかけてストレッチをして柔らかくなったとしても何日も何にもしていないとカラダの硬さはリセットされてしまいます
柔軟性は一気に上がらないのでコツコツ地道にやりましょう
週3ペースなら月水金で1〜2日おきにやったらいいと思います
一気にやって何もしなくなるんじゃなくて「地道にいこう!!」
ストレッチでは筋肉を意識しない
筋トレをする時に鍛えている筋肉を意識するというのはよく聞くことです
これを「マインド・マッスル・コネクション」と言います
筋肉は脳から伸びる運動神経の指令で動きます
なので、筋トレをするときは狙った筋肉に注意を向けて筋肉の収縮を意識するということが重要なのです
それに対してストレッチは、運動神経の指令で筋肉を動かしているのではないので、伸ばしている筋肉を特に気にしなくていいのです
まとめ
ストレッチの強度は痛いくらいでやるところがスタート(ただし、力士に乗ってもらうなどのやつはダメで自分の動かせる範囲で痛いくらいでするのがいい)
ストレッチの最適なタイミングは「いつでも」
ストレッチで急激に伸ばすことは少ないので普通に伸ばせばいい(競技の前は動的ストレッチが有効なことが多い)
運動後のパンパンになった体へのストレッチはあまり有効ではなく、さっさと横になって寝た方がいいかもしれない
長時間の同じ姿勢によるカラダの硬さにはストレッチは有効なのでやろう
ストレッチをしてカラダの痛みを感じる値を少しずつ高めることで痛みの少ない体になることが可能となる
関節や筋肉の部位によって伸ばす最適な時間は異なるのでめんどくさい人はとりま120秒伸ばせば大体OK
120秒伸ばすのは分割して行っても良いが、その間のインターバルは30秒以内にしてほしい
ストレッチ中の呼吸は自然呼吸を意識しましょう
ストレッチは週3ペースで地道にコツコツいこう
筋トレは動かす筋肉を意識するが、ストレッチはその逆で伸ばす筋肉を意識せず動画でもみながら伸ばすといい
That’s all I want to say today
I love you for reading till the end
それじゃ・・・
書いてる人
著者近影
広島県の福山で筆者は国家資格である天才柔道整復師として身体の不調や痛みの原因を根本治癒させるために、今まで数万人の患者さんの治療を行なってきました。そんな中、筋肉やトレーニングだけでなく、栄養や生活習慣の面からも改善しないと根本治癒できないと考え研究を行っています。「運動・休養・栄養」の3つの柱で患者さんの生活の質の向上を考え治療活動中です。海原雄山・北大路魯山人と並ぶ自他ともに認める天才美食家。
借金なんてするんじゃねぇ・・・